人が決めるのは IP 側だけ、MAC 側は機器が結び付ける
PC とスイッチとルータが 1 台ずつの構成で、物理と論理の「もの」、手動と自動と固定の「結びつき」、まだ何も流れていない状態の各テーブルを、図 1 枚で置く
目次
実機を触る勉強会に出ました。設定は入り、ping も通りました。それでも終わってみると、自分の言葉で説明できません。つまずいていたのは原理ではなく、その前の言葉でした。
そこで、ネットワークの言葉を 3 層に置き直すことにしました。もの(物理は箱、物理ポート、ケーブル、MAC アドレス。論理は IP のネットワーク、インターフェース、各テーブル)、結びつき(手動、自動、固定)、通信フロー(1 本の通信がこれらを順に通る流れ)の 3 つです。
この 1 本目は、いちばん単純な構成で 3 層の土台をそろえます。
登場するもの
差込口そのものは物理ポート、設定を付ける対象はインターフェースと呼び分けます。図の Gi0 はインターフェースの名前です。
PC
PC が持っているのは IP アドレスとサブネットマスク、デフォルトゲートウェイ、ARP テーブルです。宛先が同じネットワークなら直接送り、違えばデフォルトゲートウェイへ渡します。同じネットワークとは、ルータを通さず直接届く範囲のことです。
スイッチ
スイッチは物理ポートを多数持ち、MAC アドレステーブルを持ちます。見るのは MAC アドレスで、IP は見ません。
ルータ
ルータはインターフェースごとに IP アドレスと MAC アドレスを持ち、ルーティングテーブルと ARP テーブルを持ちます。
パケットの先頭には、送信元 IP・宛先 IP・寿命(TTL)などが書いてあります。どの経路を通るかは書いてありません。ルータは自分のルーティングテーブルの中から宛先 IP に一致する行を探し、パケットの次の渡し先となるルータを決めます。
結びつき
手動
ケーブルをどこに挿すか、PC の IP アドレスとサブネットマスク、デフォルトゲートウェイ、ルータのインターフェースの IP アドレス。ここは人が決めます。
固定
物理ポートと MAC アドレスの対応は製造時に決まっていて、動きません。
自動
ルータのポートに IP アドレスを設定すると、そのアドレスを含むネットワークの行が、ルーティングテーブルに自動で追加されます。ポートに 192.168.10.1/24 を設定すれば、192.168.10.0/24 の行が載ります。この宛先への経路は手動追加なしでわかります。
残りの 2 つ、ARP テーブルと MAC アドレステーブルは、通信が流れてから育ちます。図の時点ではどちらも空です。
この層をひとことで言うと、「人が決めるのは IP 側だけ。MAC 側は機器が勝手に結び付ける」です。自分のポートから載る行以外をルーティングテーブルに載せる方法は、ルータを 2 台またぐ図 5 で扱います。
通信フロー
この図にはフローがありません。1 本も流れていない状態を先に置いています。
PC が最初にすることは、宛先が同じネットワークの中かどうかを IP アドレスとサブネットマスクで判断することです。中なら相手へ直接、外ならデフォルトゲートウェイへ渡します。この分かれ道が、以降の図を二手に分けます。
まだ流れていないので、ルーティングテーブルには自分のインターフェースから載った行しかありません。
図 1
実線がケーブル、小さな四角が物理ポート、点線の枠が IP のネットワークの範囲で、下の帯はこの時点の各テーブルと通信の中身の一般形です。
図 2 との接続
この図の前はありません。次の図 2 では、PC-A から PC-B へ 1 本流し、空だった 2 つの表が育つところを見ます。
未検証・注意
- 図の PC-D はまだ VLAN で分かれておらず、PC-A や PC-B と同じ 192.168.10.0/24 の中にいます。分けるのは図 3 です。
- MAC アドレステーブルの行は、通信が無いと一定時間で消えます。出典にある既定値は Catalyst の 300 秒で、他機種の値は確認していません。
- 勉強会の配布資料は非公開のため、設定値や画面は引用せず、一般化した構成で描いています。
出典
- 勉強会での本人の観察。2026-09-13 の実機ハンズオン(資料は非公開)
- インフラエキスパート: Ethernet LAN - Layer2スイッチ — MAC アドレステーブルの学習、フラッディング、フィルタリング、エージング
- インフラエキスパート: Ethernet LAN - ルータ — ルータが宛先 IP で経路を決め、送信元と宛先の MAC アドレスを書き換えること
- Cisco: Catalyst 3560 スイッチ ソフトウェア コンフィギュレーション ガイド インターフェイス特性の設定 — スイッチポート、ルーテッドポート、SVI の区分
関連
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ネットワーク_INDEX — 連載の目次
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ネットワーク_00_3層で言葉を置く — 連載の入口と読む順番
-
ネットワーク_02_同じネットワークの中 — この土台に 1 本流す
この記事の校閲記録
誰が・いつ・どの版の・どの段落を・何の観点で見て、何と言ったかを全件そのまま出す(追記のみ・削除しない)。
段落 36 のうち出典つき 16・出典なし 20
v1 1 件
AIAI (claude-fable-5) が AI 確認未解決
出典 3 件を WebFetch で取得し、記載内容(MAC アドレステーブルの学習とフラッディングとフィルタリング、ルータが宛先 IP で経路を決め MAC を書き換えること、スイッチポートとルーテッドポートと SVI の区分)を確認した。ルーティングテーブルの 3 文は壁打ちで本人が確定した文をそのまま使った。MAC アドレステーブルのエージング既定値は Catalyst の 300 秒のみ出典があり、他機種は未確認と本文に明記。守秘検査(人名、社名、会場名、地名、連絡先の機械検査)で該当なし
参考文献
- 二次インフラエキスパート: Ethernet LAN - Layer2スイッチ参照 2026-09-14
- 二次インフラエキスパート: Ethernet LAN - ルータ参照 2026-09-14
- 二次Cisco: Catalyst 3560 スイッチ ソフトウェア コンフィギュレーション ガイド インターフェイス特性の設定参照 2026-09-14
更新履歴
- 連載のトピックを「ネットワーク基礎」から「ネットワーク」へ改名(32 本+目次。slug と URL は不変)
- 公開: 連載「ネットワーク基礎」の土台 11 本(入口・図 1〜7・補 1〜3)と目次
機械可読の記録
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