弱者は決して許すことができない。許しは強者の態度である── ガンディー
ネットワーク

隣の機器に、自分の名前と口を名乗り続ける

線の向こうに何がつながっているかを、機器が定期的な名乗りで互いに覚える仕組み(CDP と LLDP)を、通信フローに関与しないテーブルとして 1 枚の図で見る

ぴぐおv1人の校閲なし(AI のみ)訂正なし
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目次

勉強会では、各インターフェースの説明欄に、接続先の機器名とその機器のどの口かを手で書きました。

書いておくと、あとから設定を見るだけで線の向こうが分かります。 書き忘れると、ケーブルを目でたどることになります。 その手書きを機器が自分でやるのが、この記事で扱う 2 つです。

この連載は、ネットワークの言葉を 3 つの層に置いて読みます。 もの(物理か論理か)、結びつき(人が設定で付ける手動か、機器が学習する自動か、製造時に決まる固定か)、通信フロー(1 本の通信がそれらを順に通る道筋)の 3 つです。

登場するもの

隣接テーブル

論理のもので、自動で育ちます。 スイッチが持つ MAC アドレステーブルとは別に、もう 1 つ増える表です。 中身は、口ごとの「向こうにいる機器の名前・その機器のどの口か・管理用の IP・機種」です。

名乗りのフレーム

各機器が、自分の名前・口・IP・機種を書いて、全部のポートから定期的に送るものです。 宛先は決まった特別な MAC です。隣までしか届かないものとして扱いますが、途中のスイッチが転送しないことは今回引いた資料では確認していません。

CDP

Cisco 独自のものです。 データリンク層で動くので、上位のプロトコルが違う機器同士でも互いを知ることができます。 既定では 60 秒ごとに送り、受け取った情報は 180 秒で捨てます。

LLDP

IEEE 802.1AB の標準です。 Cisco 以外の機器とも通じるように備わっています。 Cisco の機器では既定で無効なので、使うには有効にします。 既定では 30 秒ごとに送り、受け取った情報は 120 秒で捨てます。

結びつき

  • 自分の口 ⇄ 隣の機器の口は自動です。受け取った名乗りのフレームから書かれます。
  • 隣接テーブル ⇄ 通信の転送は結び付きません。この表を見て通信先を決めることはありません。
  • 隣接テーブル ⇄ 人の確認は手動です。人が表示させて、線の向こうを確かめます。

通信フロー

この 2 つは通信フローに関与しません。 PC からの通信は、これまでの図のとおりに MAC と IP で運ばれます。 裏で定期的に流れているのは名乗りだけで、それが表を育てます。

名乗りの流れは 3 つです。

① 各機器は、自分の名前・口・IP・機種を書いたフレームを、全部のポートから定期的に送ります。

② 受け取った側は「この口の向こうは誰か」を隣接テーブルに書きます。一定時間来なければ消します。

③ 人はコマンドで表を表示させ、線の向こうを確かめます。

補 3 の図

図の上半分が 2 台の機器と互いの名乗り、下半分が名乗りの流れと 2 つの違いです。

CDP / LLDP:隣の機器に「私は誰で、この口です」と名乗り続ける 勉強会で description に「接続先のホスト名と物理ポートの番号」を手で書いた。あれを機器が自動でやるのがこの 2 つ スイッチ SW-1 隣接テーブル(自動で育つ) Gi0/8 の向こう:RT-1 の Gi8 (名前・口・IP・機種) Gi0/8 ルータ RT-1 隣接テーブル(自動で育つ) Gi8 の向こう:SW-1 の Gi0/8 (名前・口・IP・機種) Gi8 1 2 「私は SW-1。この口は Gi0/8。管理 IP は…」(60 秒ごと) 「私は RT-1。この口は Gi8。…」(60 秒ごと) フロー ① 各機器は自分の名前・口・IP・機種を書いたフレームを、全ポートから定期的に送る  宛先 MAC は決まった特別な番地。スイッチはこのフレームを転送しない(隣にしか届かない) ② 受け取った側は「この口の向こうは誰か」を隣接テーブルに書く  一定時間(180 秒)来なければ消す ③ 人は show cdp neighbors / show lldp neighbors で「線の向こう」を確かめる 2 つの違い CDP:Cisco 独自。Cisco 同士なら初期状態で動く LLDP:標準(IEEE 802.1AB)。他社の機器・  IP 電話・AP とも通じる。Cisco では有効化が要る どちらも「隣にしか届かない」のは同じ 名乗る中身は誰でも読めるので、外向きの口では止める 3 層で見ると もの:隣接テーブル(論理・自動で育つ。MAC アドレステーブルの隣にもう 1 つ) 結びつき:自分の口 ⇄ 隣の機器の口(自動。名乗りのフレームから)。図 4 で「両側の設定を人がそろえる」と言った、その確認に使う フロー:通信フローには関与しない。裏で定期的に流れている「名乗り」で、テーブルを育てるだけ

図 4 との接続

図 4 で、トランクの両端は人がそろえると書きました。 通す VLAN の一覧は各スイッチが自分の分を持つので、どちらの口とどちらの口が向かい合っているかを取り違えると、そろえたつもりでそろいません。 隣接テーブルは、その向かい合わせを機器の側から見せます。

この表が育っても、通信の通り道は変わりません。 図 4 から図 7 までの通信フローは、この表があってもなくても変わりません。

未検証・注意

  • 図の中の「60 秒ごと」「180 秒」は CDP の既定値です。LLDP の既定値は 30 秒と 120 秒で、同じではありません。
  • 図には「スイッチはこのフレームを転送しない(隣にしか届かない)」と書いてありますが、それを述べた一次資料を今回は引いていないので未検証です。
  • 図の「名乗る中身は誰でも読めるので、外向きの口では止める」も、出典を確かめていないので未検証です。
  • 図が挙げている中身(名前・口・IP・機種)は、実際に送られる項目の一部です。項目の全体は規格や機種によって違います。

出典

  • 勉強会での本人の観察(2026-09-13 実機ハンズオン。資料は非公開)
  • Cisco: Configuring CDP(Catalyst 3750-X/3560-X) — 「CDP is a device discovery protocol that runs over Layer 2 (the data link layer) on all Cisco-manufactured devices」。既定は CDP timer 60 秒、CDP holdtime 180 秒
  • Cisco: Configuring LLDP(Catalyst 3750-X/3560-X) — 他社機器の対応と相互運用のために IEEE 802.1AB の LLDP を備える。LLDP は既定で無効。既定は timer 30 秒、holdtime 120 秒

関連

この記事の校閲記録

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段落 32 のうち出典つき 14・出典なし 18

v1 1 件
  • AIAI (claude-fable-5) が AI 確認未解決

    CDP が Cisco 製機器で動くデータリンク層の探索プロトコルであること・既定の送信間隔 60 秒と保持 180 秒を Cisco の設定ガイドで確認した。LLDP が IEEE 802.1AB であること・他社機器との相互運用のために備わること・既定で無効であること・既定の送信間隔 30 秒と保持 120 秒を同じ設定ガイドで確認した。図は 60 秒と 180 秒を両方の値のように描いているため、本文と注で CDP の既定値であることを書き分けた。名乗りのフレームを途中のスイッチが転送しないこと、外向きの口で止める運用は、今回の一次資料では確認しておらず未検証。図の副題にある「ポート番号」は物理ポートの番号を指しており、本文では TCP/UDP のポート番号と区別して「インターフェース」「物理ポート」と書いた。守秘: 実名・社名・会場名・地名・金額なし

参考文献

更新履歴

  • 連載のトピックを「ネットワーク基礎」から「ネットワーク」へ改名(32 本+目次。slug と URL は不変)
  • 公開: 連載「ネットワーク基礎」の土台 11 本(入口・図 1〜7・補 1〜3)と目次

機械可読の記録